2025年12月31日(水)、愛知県新城市にあるMTBショップサローネ・デル・モンテさん主催のツアーライドに参加しました。
山で自転車に乗る遊びは、どこか「知っている人だけのもの」になりがち。
場所、走り方、暗黙のルール。少しでもズレると、途端に距離が生まれてしまう。
けれどこの日、その距離はとても自然に縮まった。
特別な技術や知識を誇るでもなく、ただ案内され、説明され、同じ道を走る。
それだけで、山の遊びはぐっと身近なものになる。
2025年12月31日。
走り納めに選んだのは、ツアーライドだった。
お店が出発地点

朝8時半集合、9時出発。
この日のライドは、距離およそ25km。
参加メンバーは、サローネ・デル・モンテのお店のお客さんを中心に、他県から遠征してきた方までさまざま。顔ぶれも経験値もバラバラですが、同じ時間・同じフィールドを共有するのがショップツアーライドのいいところです。
案内してくれるのは、店長の鎌苅ゆうみさん。
お店を起点に、そのままライドへつながっていく流れはとても自然で、「今日はどんな一日になるんだろう」という期待感を、出発前からしっかり高めてくれます。
あらゆる路面を堪能

ツアーライドは、作手高原にあるお店から、麓までの道のりをライドします。
ルートは、アスファルト、ダブルトラック、シングルトラック。
舗装・未舗装を問わず、次々と表情が変わる路面は、マウンテンバイクならではの楽しさそのもの。特別な場所でなくても、走り方や視点が変わるだけで、いつもの道が一気に「遊び場」になります。
スピードを出すところ、抑えるところ、バイクを感じるところ。
路面が変わるたびに、身体と気持ちを自然に切り替えながら進んでいく感覚が、とても心地よいルートでした。
ラインも気持ちもトランスファー

自然が織りなすコースデザインを堪能。
決められたコースとは違い、「どのラインを選ぶか」はライダー次第。
中央の溝をどう越えるか、避けるか、使うか。路面のうねりや水の流れが、そのまま走りの選択肢になります。
正解はひとつではなく、その場その瞬間の判断がそのままライドになる。
トランスファー区間でありながら、ただの移動では終わらない、マウンテンバイクらしい時間でした。
On the EDGE

谷側を覗くと、ところどころ崖。
かつてはダブルトラックだった道も、侵食によって削られ、いつの間にかシングルトラックのような表情になります。
道幅がある区間で一度ほっとして、ふと現れるエッジで緊張が走る。
その繰り返しが、ライドの中に独特のリズムを生み出します。
常に張りつめているわけではなく、油断しすぎるわけでもない。
安心と緊張が交互に訪れるこの区間は、マウンテンバイクで「道を読む」感覚を強く思い出させてくれました。
倒木は遊べるアイテム

道を塞ぐように倒れている、適度な太さの倒木。
歩いて通るなら少し厄介ですが、マウンテンバイクにとっては丸太越えセクションという、ちょうどいいアソベルアイテムになります。
スピードを落としてアプローチする人、ラインを工夫する人、あえてシンプルに越える人。
同じ倒木でも、乗り方にはそれぞれ個性が出るのが面白いところです。
自然の中に用意されたものを、無理なく、壊さず、ただ楽しむ。
そんな感覚が、この一本の倒木にぎゅっと詰まっていました。
BGMは森林と自転車の音

森林も、自転車も、音がここちいい。
走っているときのタイヤ音や、木々を抜ける風の音。
立ち止まると、今度は森そのものの音が前に出てきます。
走る音と、止まっているときの音。
そのどちらもが自然に収まっていて、無理がない。
ただ乗るだけでなく、立ち止まる時間があることで、
この場所で自転車に乗っている意味が、静かに染み込んでくるような感覚でした。
ツアーライドという入り口

ツアーライドとは、
ガイドや主催者が同行し、あらかじめ計画されたルート・時間・内容に沿って走るライド形式のことです。
ただ一緒に走るだけではなく、その場所を知っている人が先導し、地形やルート、注意すべきポイントを把握したうえで進んでいきます。行き当たりばったりではなく、全体の流れが想定されているのが特徴です。
参加者の体力やスキルにも配慮され、ペース調整やサポートが入るのもツアーライドならでは。単独行動を避け、トラブルが起きたときに対応できる体制が前提にあります。
目的は、速さや競争ではありません。
その場でしか得られない「体験」や「理解」、そして楽しさを共有することが主眼になります。
よく混同されがちなものと比べると、違いが見えてきます。
フリーライドは、各自判断・各自責任で自由度は高い反面、管理はありません。
単独ライドも自由ですが、リスクはすべて自分で背負うことになります。
イベントライドは人数が多く、体験よりも“催し”寄りになることが少なくありません。
ツアーライドはその中間にあたる存在で、
「自由すぎず、管理されすぎない」体験型のライドです。
本質的に言えば、ツアーライドは
場所・走り方・文化を、説明付きで体験するライド。
だからこそ初心者にとっては、
・世界の見え方が変わる
・危険と安全の境界がわかる
・「なぜそう走るのか」が理解できる
そんな入口になります。
一言でまとめるなら、
ツアーライド=ガイド付きで、安心して“その場の本質”を味わうライド。
今回のライドも、まさにそれを体現している時間でした。
人脈が生まれる時間

ツアーライドの後半になると、不思議と距離が縮まっているのを感じます。
年齢も、住んでいる場所も、マウンテンバイクとの関わり方も違う。
それでも、同じ道を走り、同じ景色を見て、同じ場面で立ち止まることで、言葉以上の共有が生まれます。
「どこから来たんですか?」
「このセクション、面白かったですね」
そんな何気ない会話が、自然に交わされるようになるのも、ライドを共にしたからこそ。名刺交換のような人脈ではなく、体験を通してつながる関係です。
マウンテンバイクは、ただの乗り物ではなく、世界を広げる媒体でもある。
ツアーライドは、そのきっかけをとても穏やかに、確実に用意してくれます。
この日のライドで広がったのは、走った距離だけではありませんでした。
走り終えたら

麓まで走り切ったあとは、そこからお店までは車での移動。
最後まで自走にこだわらず、無理のない形でライドを締めくくるのも、ツアーライドならではです。
走るところはしっかり走り、移動は安全かつ効率的に。
そのメリハリがあることで、余裕を持って一日を楽しむことができました。
レンタルeMTB

今回のライドでは、サローネ・デル・モンテさんのレンタルeMTBをお借りしました。
登りで余裕が生まれることで、体力を消耗しすぎることなく、路面や景色に意識を向けられる。
「きつさを我慢するライド」ではなく、「たのしさを拾っていくライド」になるのが、eMTBの大きな魅力だとあらためて感じます。
ツアーライドとの相性もとてもよく、ペースを合わせやすく、参加者同士の距離も縮まりやすい。経験や脚力の差を穏やかに埋めてくれる存在です。
eMTBだから簡単になる、というよりも、
体験の幅が広がるという感覚。
走れる距離、選べるルート、残る余力。
そのすべてが、ライド全体の質を一段引き上げてくれました。
ツアーライドへの参加やお問い合わせ

サローネ・デル・モンテでは、今回のようなツアーライドを定期的に開催しています。
初めての方でも参加しやすく、ガイド付きで安心してフィールドを体験できるのが特徴です。
「どんなルートを走るのか」
「自分のレベルで大丈夫か」
「レンタルバイクはあるのか」
そんな疑問があれば、まずはお店に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
ショップと会話することで、その土地やライドスタイルの考え方も見えてきます。
走ることだけでなく、場所・走り方・人とのつながりまで含めて体験できるのが、ツアーライドの魅力。
気になった方は、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
年末の締めくくりにふさわしい、充実した一日でした。




















