高級ミニベロゆるぽたツーリングで、MTB Rider’s Day Off

Guide Service
この記事は約9分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

2026年1月17日(土)、愛知県で開催された「ゆるぽたツーリング」のイベントに参加してきました。

蟹江町観光協会が主催し、蟹江町・津島市・愛西市・あま市の4市町を巡る、高級ミニベロによる“ゆるぽた”ツーリングイベントです。

この取り組みは、株式会社近藤機械製作所様がハブなどの自転車部品(GOKISO)を製作されていることを背景に、蟹江町と近隣市町を一体で盛り上げていこうという地域連携事業として企画されたものとのことです。

今回は、このブログでもお馴染み、日頃から「MTBに乗って歩く会」として一緒にライドを楽しんでいる、そして本イベントの運営にも関わっている船井さん(株式会社 船井アソシエイツ)からお声がけいただき、体験参加という形で走らせていただきました。

MTBを主軸に活動している自分にとって、「ゆるぽた」という世界観はどこか新鮮でもあり、興味深いものでもあります。

そんな視点も交えながら、今回のツーリングをレポートしてみたいと思います。

“ゆるぽた”ということで、この日は完全に休日OFFモード(なスタンス)での参加です。

4市町を巡る高級ミニベロゆるぽたツーリング

コース発着地点となる蟹江町観光交流センター「祭人」。朝の準備が進む集合風景。

ツーリングのコースは全長約30km。
蟹江町、津島市、愛西市、あま市の4市町をぐるっと巡る、ほぼ平坦なルートが設定されていました。

改めて開催要綱を読み返してみると、

「ゆっくり走っても十分に回れる距離と構成で、まさに“ゆるぽた”らしいコース設定です」とのこと。

発着地点は、蟹江町観光交流センター「祭人(さいと)」。

集合時間の9時には、すでにスタッフの方々、そして参加者のみなさんが、それぞれ準備を進めている様子でした。

当日は天気にも恵まれ、風もほとんどなく、冬の日差しが心地よい一日。
参加者は定員いっぱいの5名に、スタッフ・関係者5名を加えた総勢10名で、ツアーがスタートしました。

完璧なベストコンディション!さあ、スタート

晴天無風のベストコンディションに恵まれて、スタートです。

ツアーでは、須成神社(蟹江町)、七宝焼アートヴィレッジ(あま市)、津島神社(津島市)、ふれあいの里HASUパーク(愛西市)といった各地のスポットを、ガイド付きで巡っていきます。

60年に一度に御開帳される秘仏|須成神社(蟹江町)

本尊の木造十一面観音立像を見学

スタートしてすぐの場所にある須成神社では、60年に一度の御開帳とされる秘仏を見学しました。

現在は、毎月18日(1・2月を除く)に、ガイドボランティアの方々の協力のもと公開されているとのことで、今回のツアーでも案内付きで拝観することができました。

正直なところ、普段の自分のライドでは立ち寄ることのない場所ですが、こうしたツアーだからこそ、その土地の歴史や背景を知るきっかけになります。
60年に一度と聞くと、「人生で一度あるかどうか」というスケール感。そう思うと、なかなか貴重な体験でした。

七宝焼を体験|七宝焼アートヴィレッジ(あま市)

七宝焼の体験教室で制作したキーホルダー

七宝焼アートヴィレッジでは、七宝焼の体験教室に参加しました。

七宝焼は、金属の下地にガラス質の釉薬をのせて焼き上げる、伝統的な工芸技法。
今回は、その工程の一部を体験し、オリジナルのキーホルダーを制作しました。

今回のツアー案内役でもある郡山さんから、「ヤ印がいいんじゃないの」とすすめられ、丸いベースを選んで描いてみました。

教室の様子

こういう記念のものは、少し“下手感”があったほうがそれっぽくていいかなと思い、結果的に満足のいく出来栄えになりました。

宮きしめん つしま店で昼食

津島名物の「重箱きしめん」をいただきました

津島神社のすぐ隣に、昨年12月にオープンしたばかりの「宮きしめん つしま店」で昼食をとりました。

せっかく津島まで来たのだから、やはり名物を——ということで、「重箱きしめん」をいただくことに。

この日は天気が本当に良く、テラス席でも寒さを感じることなく、気持ちよくランチの時間を過ごすことができました。

ランチの様子

走っている最中はなかなか話ができませんが、こうした休憩時間に、参加された方々との交流も楽しめました。

ガイドさんに秘密の場所を案内|津島神社(津島市)

ボランティアガイドさんに案内していただいた津島神社の境内

津島神社では、ボランティアガイドさんに案内していただきながら境内を回りました。

正直なところ、神社そのものの説明以上に印象に残ったのは、ガイドさんの案内の仕方でした。
決まりきった説明を一方的にするのではなく、こちらの反応を見ながら話す内容やテンポを変え、自然と引き込まれる進め方。

さらに、普段はなかなか入らないような場所にも案内していただき、「あ、こういう見せ方があるんだな」と感じる場面が何度もありました。

ガイドさんに興味しんしん

自分自身もライドやレッスンで人を案内する立場だからこそ、内容以上に“ガイドそのもの”が勉強になった時間でした。

スイーツを求めて|ふれあいの里HASUパーク(愛西市)

道の駅「ふれあいの里HASUパーク」に到着

この日は、気候的にも完璧なベストコンディション。
真冬の時期にもかかわらず、ノーグローブでも走れてしまうほどの穏やかな陽気でした。

そんな中、そろそろ「ソフトクリームタイムかな」ということで、ふれあいの里HASUパークに到着。

ところが、リニューアル中の道の駅に到着して店内を見渡してみると、それらしい売り場が見当たりません。
どうやら、リニューアルの影響でソフトクリームの店舗はまだ準備中の様子。

残念……と思っていたら、他の参加者の方も同じようにソフトクリームを求めていたようで、思わず笑ってしまいました。

それくらい、のんびりとした気分で走れる、おだやかな天気に恵まれた一日。
このあたりが、今回の「ゆるぽたツーリング」を実感したポイントでもありました。

余韻を残して帰着

予定通り15時ごろに帰着

周遊ルートをぐるっと回り、蟹江町観光交流センター「祭人」に帰着しました。

ふれあいの里HASUパークを出るころには少し風が出てきましたが、ゴールまでの区間はちょうど追い風。
思いのほか楽に、気持ちよく走って戻ることができました。

あらためて「30km」と聞くと、数字だけでは少し長く感じます。
参加前は、なんとなく「ゆるぽたなんだろうな」という感覚で捉えていましたが、実際に走り終えてみると、「30kmって、意外とゆるく走り切れる距離なんだな」と素直に納得。
体験してみてはじめて腑に落ちる感覚でした。

ここで面白いのは、「ゆるぽた」という言葉が前に付くだけで、“30kmツーリング”という距離の印象がやわらぐこと。

ツーリングという言葉単体で構えると距離や走破の意識が先に立ちますが、「ゆるぽた」という接頭語が加わることで、完走志向から過程志向へと重心が移る。

結果として——
気づけば30kmを走り切っている。

距離の達成というより、「楽しんでいたら走れていた」という成功体験に変換される。

この感覚こそが、“ゆるぽたツーリング”という設計の本質なのかもしれない、と実感しました。

高級ミニベロに舌鼓

今回お借りした高級ミニベロ

今回のイベントで、ひとつ大きなポイントだったのが「高級ミニベロ」という存在でした。

自分が借りたミニベロは、GOKISOの郡山さんが広報用としてチューンした、スペシャルな一台。
各所に手が入った仕様からも、ただの展示用ではないことが伝わってきます。

そのカスタマイズによって、30kmという距離を、終始“ゆるぽた”感覚のまま走り切れてしまう性能。
距離や疲労感の捉え方が、いつもとまったく違いました。

正直なところ、かなり異次元の体験。
「高級ミニベロ」と呼ばれる理由を、体で理解した時間でした。

自転車って、「誰かのおもい」で完成している

自転車の良し悪しは、つくづく、これを実感します。

GOKISOの高性能ハブ、太めのシュワルベのBMX用レーシングスリック、そしてそれを受け止めるカーボンリム。
それぞれ単体で見れば、ただの「良いパーツ」なのかもしれません。

でも今回乗らせてもらったミニベロは、そうしたパーツが、「どう走らせたいか」「どんな体験をしてほしいか」という意図をもって組み合わされていました。

舗装路の細かな凹凸をいなす足まわり、踏めば素直に進み、抜けるように転がっていく感覚。
30kmという距離を、頑張らずに、気持ちよく走り切れてしまう理由が、走りながら腑に落ちていきます。

高級ミニベロというより、“考え抜かれた道具”に乗っている感覚

郡山さんをはじめ、関わった人たちの「こうあってほしい」という思いが、そのまま走りの質になって現れている。
自転車は、スペックで完成するんじゃなくて、人の考えで完成する乗り物なんだなと、改めて感じさせられました。

今回ガイド役のGOKISOの郡山さんと折り畳み済み自転車

「風を感じながら、文化とグルメを楽しむ30kmの旅」でした。

みなさんで記念撮影

風を感じながら走り、土地の文化に触れ、食を楽しむ。
今回の30kmは、距離そのものよりも、体験の密度が印象に残るツーリングでした。

速さや効率を求めるのではなく、立ち止まり、話し、味わうことを前提に組み立てられたルートと時間配分。
だからこそ、「ゆるぽた」という言葉が、単なるペースの話ではないことを実感します。

MTBを主軸に活動している自分にとっても、新鮮で学びの多い一日でした。
走ることで地域を知り、人とつながる。
そんなツーリングのかたちが、ここにはありました。

本日の休日、たのしさ100点満点でした。

今回ご一緒させていただいた皆さま、企画・運営に携わった関係者の皆さま、ありがとうございました。
とても心地よい時間を過ごすことができました。

そして、「ゆるぽた」という言葉に興味と実感が持てた1日でした。

これまで「ゆるぽた」という言葉は、どこかで聞き慣れてはいたものの、
自分の中では、まだ輪郭がぼんやりした存在でした。

速さを競わない。
距離を誇らない。
技術をひけらかさない。

ただ走って、止まって、話して、また走る。

そんな時間の積み重ねの中で、
「ゆるぽた」という言葉が指しているものは、
単なる“ゆるいサイクリング”ではなく、
人・道具・景色・時間を味わう行為そのものなのだと、
少し実感を伴って理解できた気がします。

高級ミニベロという、
つくり手の思想や情熱が詰まった乗り物に触れながら、
速さではない豊かさを感じ、
MTBとはまた違う“自転車の奥行き”を知る。

そんな体験があったからこそ、
この1日は、ただの休日ではなく、
「ゆるぽた」という文化への入口になったのだと思います。

このツーリングは、「ゆるぽた」再発見の旅でした。

距離で見れば30km。
数字だけを切り取れば、決して“ゆるい”とは言い切れない長さです。

けれど——
走り出してみると、その印象はまったく違いました。

景色を見て、文化に触れて、食を楽しみ、会話をして、立ち止まり、また走る。
完走を目的にするのではなく、過程を味わう設計。

「ゆるぽた」という言葉が前に付くだけで、ツーリングの意味合いが変わり、
距離の達成ではなく、時間の体験へと価値基準が移っていく。

気づけば30kmを走り終えている——
その事実が、「走れた」という成功体験として静かに積み上がる。

距離に挑戦するのではなく、
楽しんでいたら結果として走れていた。

この感覚こそが、“ゆるぽたツーリング”というスタイルの本質なのかもしれません。

肩の力を抜いて走る日があるからこそ、
また本気で走る日も輝く。

MTB Rider’s Day Off。
その言葉どおりの、静かで満ち足りた1日でした。

MTB Rider’s Day Off | Different Bike. Same Fundamentals.

「ゆるぽた」の起源と、自転車文化の成熟。――ロードからMTBへ波及する「ゆるさ」の必然的考察

タイトルとURLをコピーしました