グローカルバイクパーク(仮)にパンプトラックをデザインいたしました。
リクエストの「子どもと初心者」というコンセプトでつくりました。
その記録です。
グローカルバイクパーク(仮)
友だちの通称“バスマン”のバイクショップ「グローカルバイク」のマウンテンバイクパークの呼び名をとりあえず「グローカルバイクパーク(仮)」として制作。
国内外のレースチームでメカニックを務めたバスマンこと白井三善。職人気質。いい奴、そのパーク。
地主はまーくん。
マウンテンバイクライダーYANS
候補地はバスマンの友達のまーくんの土地。
DAY1:現地調査のための草刈り。
2021年11月25日(木曜日)、11時40分スタート。現地調査のための草刈り作業。刈払機でエクササイズ。17時終了。
刈払機でエクササイズ
チェーンソーと刈払機は借りると…. エンジンがなかなかかからないことが多い。その度にうんざりする。それは自分の機械に対する扱い能力の低さに。そして、その何度も繰り返す反復運動が、いつも良い運動となり、後日、心地よい筋肉痛を満喫できる。
何事もトレーナーYANS
DAY2:敷地のサイズと土の確認。
11月26日(金曜日)、8時30分スタート、11時現地調査終了。敷地のサイズと土の確認。現地で体を動かして作業することで、その地とたわむれて、肌感覚で、なんとなくイメージできました。
プランニング
予算17万円。その感じ↑だとユンボは0.08クラスでレンタル7日間なチャレンジかなぁと。
それで↑、レンタルに見積もりをお願いします。
敷地のサイズ
上半分を斜めに削って出る土:コース造形に使える土量(なんとなく)
表面の土を削って、おそらくこれくらいの土量をコース造形に使えるんじゃないかなぁ、という感じ、なんとなく。
ショップお客さんとのふれあい
11月28日(日曜日)、ショップのお客さんを対象にライディングスクールを実施させていただきました。お客さんとのコミュニケーションでパークのコースデザインのイメージを膨らます。
DAY3:草をむしる。
2022年1月17日(月曜日)、11時スタート。本日レンタルユンボ搬入のためお昼からの作業。午前中は草刈りと枝払作業。お昼からは敷地の端っこ奥側からユンボで攻める。草をむしる作業と土をつくる作業。17時15分ころ終了。
DAY4:引き続き草むしり、ほぼ全面達成。
2022年1月18日(火曜日)、8時30分スタート。朝から雪、それよりも強風でいろいろ飛ぶ〜。草をむしる作業と土をつくる作業。草むしりは全周達成。敷地の端っこから攻める、今回はこちら側のパーク入口側をスッキリ。給油20リットル弱。17時終了。
DAY5:奥側からセクションに着手
2022年1月19日(水曜日)、8時スタート。今日も強風で飛んでったり倒れたり。太陽出てるけど防風パンツ履く。敷地の端っこ奥側からセクションの造形に着手。フリーハンドでいい高台ができました。土の具合を掴みながらコブ造形を数個。給油10リットルくらい。16時10分終了。
DAY6:土づくりが一段落。
2022年1月20日(木曜日)、8時スタート。今日も安定して強風。パーク入り口側の高台の盛り土、土の入れ替え、土づくりな仕込み作業が一段落。給油10リットルくらい。16時10分終了。
DAY7:高台スロープ面だしと排水下流のあたりだし。
2022年1月21日(金曜日)、8時スタート。今日も引き続き強風。パーク入り口側の高台の造形作業。その手前のオープンスペースを小綺麗に。排水のための水勾配の下流側のあたりだし。給油5リットルくらい。15時30分終了。
DAY8:コブの造形
2022年1月22日(土曜日)、8時スタート。やっと穏やかな風、それだけで作業も捗ります。いよいよコブの造形作業、テストライドしながらコブを造形。地主のまーくんによる綺麗な面出し作業も加わりました。給油10リットルくらい。16時50分終了。
DAY9:形になりました。
2022年1月23日(日曜日)、8時スタート。本日作業予定日の最終日、午後から雨予報なので午前中にまとめる心意気、お昼前にはとりあえず形になりました。みなさんのハンドパワーでいっきに仕上がりました!給油5リットルぐらい。11時30分終了。
〆のひとコブ
ということで、ビフォーアフター
2021年11月から年を跨いで2022年1月にグローカルバイクパーク(仮)パンプトラックが形になりました。計画準備期間を経て、レンタルユンボでの作業日数は2022年1月17日(月曜日)から23日(日曜日)の7日間、天気に恵まれ(少々強風で冷えたけど)無事納まりました。
グローカルバイクパーク(仮)パンプトラックのデザイン
敷地が細長い四角だったので、オーバルのトラックコースにもできましたが、今回は両サイドに安全マージンを確保しながら、こっちとあっちの両端に高台をつくって行き来するコースレイアウトにしてみました。狭いスペースの中でバリエーションを増やす工夫をしてみました。
子どもは高いところが好き。
高台に登るだけで気分もアガルと思います。自然に立ち止まる高台でライディングにメリハリがつくと思います。高台の上はライディングイメージに満ちたライダーの居場所になります。
高台の内側はスロープになっています。幅広なので安心してノーペダリングで助走がつけられます。その他にも機能的な高台になっています。
機能的な高台。
初心者向けのためにバームは採用していませんが、スロープ内はバンクとしてカーブにもなります。あっちの高台の両サイドはカーブ用にカントをつけてあるのでバンクをバームちっくにターンして戻って来れたりもします。
ライディング評価のジャッジがしやすい仕掛けがいくつか仕込んであります、例えばパンピングで得た助走で高台に登れるかどうか。などなど、それらはおいおい。
高台からの眺め、俯瞰で想像力。
高台からは俯瞰で眺めることができます。こっちの高台から見て左手のコブの配列はスタンダートなパンプラインになっています。普通に考えて周回コースにもなりますが、高台から高台へ行き来するコース取りはライン取りを創造的に描けるように、それ以外のコブをランダムにレイアウトしてあります。沢山の谷でパンピングを繋げられるようにしてみました。
山と谷、パンプはボトムス。ライン取りは創造にお任せ。
コブの形状はなだらかに丸まっていて高低差を感じさせないよう(恐怖心の低減)にしてみました。パンプラインはおにぎり形状でコース取りを誘導していますが、それ以外はお山形状にしてみました。先端が丸まっていますが、ライン上は全て曲線で繋げられるボトム形状になっています。
安全マージンとつまずかない動線な外周などの基本形
マウンテンバイクパークはコース外もデザインします。
こっちとあっちの高台の外側はオープンスペースになっていて、バイクを置いても人が余裕をもってたまることができるくらいの広さのスペースになっています。
両サイドは動線になっていて歩きやすく整地しました。コースアウトしても安心構造にしてあります。
排水
今回の排水は塩ビパイプレスで作ってみました。コブの間の谷を流れるように横方向へ水勾配を繋げて動線へ誘導。お隣さんが畑で排水を流せないので動線の端を調整池っぽくしてます。(安定するまでは様子見の状態、今後の雨水さん次第で調整する)
土の入れ替え
今後の面出しやメンテナンス、モデファイが手作業でしやすいように、扱いやすい土に入れ替えてみました。維持管理者のためのデザインになるかと思います。
コスト
まとめ
短い休憩時間でMTBのことを語り合う友達との時間は最高である。そのまんなかにパンプトラックが出来、マウンテンバイクパークがライダーを産む。今回もマウンテンバイクライダーとして幸せな時間を過ごせました。