2025年3月13日(木)〜15日(土)で、もくぞうこマウンテンバイクパークの2025年シーズン営業前の整備作業を実施。ご報告です。
今回は運営スタッフの意見を取り入れて、各所をアップデートしました。
アップデートの設計一つ一つは、理由と説明をスタッフに伝えながら、合意の上で利用者に寄り添った形に仕立ててみました。
アップデート1:テーブルトップジャンプへ変更しました

運営スタッフから「大人たちを真似て、子どもたちがジャンプをしたがるので〜、ジャンプがほしい」という要望(スタッフの経験値)と、そろそろ「憧れのジャンプ」という作用が「あってもいけるかな?」っていう段階(パーク運営の成長具合)を感じたので、ジャンプセクションの検討をいたしました。
この場所(コースのこの区間)なら、改変が適切だと判断して、コブセクションからテーブルトップジャンプに仕様変更しました。
もちろん、基本設計(コンセプト)が崩れないよう(エスカレートしないよう)にアップデートしました。
憧れのジャンプにトライしてみよう

一般的に「ジャンプ」そのものは標準的憧れ要素ですね。パーク内で大人達がジャンプをすると、その姿はヒーローのように映ります。それを真似る子ども達が、自然にどんどんとうまくなっていくシステムでもあります。
その一方で、ジャンプセクションはタイヤが地面から浮くことが物理的理由で、リスクが増す要素(利用者側にも運営側にも)でもあるので、パークスタッフの成長具合に適合したジャンプを設計する必要があります。
現スタッフに合わせたジャンプ設計にしました

運営スタッフのライドスキル以内でのジャンプであることは設計の基本ですね。
もし、利用者が「ジャンプがしたい」志しになった時に、スタッフがそんな気持ちに寄り添える設計になっています。見て・聞いて、スタッフから学んでください。
ぜひ、もくぞうこマウンテンバイクパークで、ジャンプにトライしてみてください。
ジャンプ練習を段階的に取り組めます



前年のアップデートで設置したマイクロジャンプで基本を練習して、今回のテーブルトップジャンプと合わせながら取り組むと、段階的に練習ができるシステムとして設計しました。
ある程度乗り慣れてくると「ホッピングジャンプ」(自分で跳ね上がるジャンプ)をしてしまいがち(初心者がやりがち)になるので、「反力ジャンプ」(反発力で飛び上がるジャンプ)を練習することになります。(詳細はスタッフに聞いてね)
初心者用のジャンプです、ご安心ください

「ジャンプ」と聞くと、ちょっとビビるけど、安心してください。今回のジャンプは、初心者用に設計してあるので、スタッフと共に安全に楽しめます。
ぜひ、もくぞうこマウンテンバイクパークで、ジャンプデビューしてみてください。
ジャンプビルド・テクニカル(利用者に寄り添った設計)

テーブルトップジャンプをビルドするのには、大量の土が必要になります。その土をどこから用意するのかが課題にもなります。
いざ「ジャンプつくるぞー」と決まって、「じゃあ、つくるぞー」って言っても、土がないとつくれないわけです。
隣に穴を掘って土を確保しても、そんなところに穴ができてたら安全が確保できないことになりますよね。
地面を掘れば水たまりもできてしまいます。(排水が機能しなくなります)
どっかから持ってこないといけないわけですが、ジャンプビルドには、その計画や計算などのコストが必要になってきます。
流出土砂をジャンプへ移動して一石二鳥


流出土砂(新たに加わった土)は側溝を塞ぐので、お掃除兼土の確保として、テーブルトップジャンプへ移動すればいい。
これで、一石二鳥でした。
ピンチがチャンスというか、とてもスマートな収まり👍
スタッフがネコ(一輪車)で運んでくれました


とはいえ、土の移動は、スタッフがネコで一杯ずつ運んでくれました。とても大変な肉体労働を引き受けてくれました。
重機ダンプで運ぶのが楽ですが、足の踏み場が限られている条件(すでにレイアウト済みのパーク)の中で重機が動き回ると、動き回るだけで破壊してしまうということもあって、たかだか『土運搬』って簡単なようで、なかなか難しいですね、って毎回思います。
大変、ご苦労さまでした。
アップデート2:ウォールライドの追加

ウォールライド(ライドスキル)ができる「ウォール」セクションと、そのアプローチライン(上段者向け)を増やしました。
ウォールライド(壁を乗る・張り付きながら)が楽しめます。
ウォールの整地

コースの裏側に位置するこの壁は、コースのエッジ(バームの裏)との狭間で、ボトムが排水の側溝なので、無余地的だったんですが、『ウォールライド』だったら活用できる余白でもありました。
壁そのものが、路面に変換できることになるので。
もくぞうこマウンテンバイクパークのデザインコンセプトが前提にあるので、そもそも初心者用のコース設計が最優先でもあるため、当初『ウォールライド』は今後の様子見次第(パーク運営の安定具合)での活用要素(出番待ち)となっておりました。
ということで、、、「時が来た」ですね。
狭い無余地をビルドで攻めました




この度、めでたく、ウォールライドの誕生と相成りました。
パークは生物。熟成というか、必要なプロセスを経て、そこにそれが生まれる。パークビルドって終わりなき成長だなぁ、と毎回思います。
ウォールライドの誕生

ウォールを整地する以前から、すでに運営スタッフの目利きによって適正なライダーさんには裏メニュー的にガイドをしていたとのことだったので、今回はその経緯と判断をフィードバックに、新たなウォールセクションを新設することと相成りました。
パークは、スタッフという存在が前進を生みますね。
アプローチラインは上段者向けに設計

『ウォールライド』そのものは上段者向けのセクション(ライドスキル)になるので、そのアプローチは上段者が意図的に入り込んで行かないと通れない設計にしてあります。
初心者が間違えて迷い込んで行かないようなラインです。物理的な自然の流れ(成り行き)では、進入方向へは誘導されないようになっていますので、ご安心ください。
もちろん、誰かのウォールライドを見て、興味関心を持って見様見真似で入っていくことはできます。
その場合は、初心者にとって難しいラインと感じ取ってもらえると思いますので、そのステップアップ意識は、ライン取りのスキルアップにも繋がります。(というカラクリです)
トレイルライドをシミュレート



そのライン取りは『ブラインドのカーブを裏側に回り込むような、細い道幅でいて、アウトサイドが谷(溝)になっている』(しかも、隠れている)です。
それは、トレイルライドをシミュレートしています。隠れいている存在を発見するスキルも試されますよね。
ライドの基本やコツは、スタッフが教えてくれますよ。
ぜひ、スキルアップしてみてください。この経験は、トレイルライドで役立つと思います。
アプローチライン・その2:激坂「神風」

そして、アプローチライン・その2は、上段からの激坂下り。
「神風」と、思わず呼んでしまいました。
その勢いを受け止めるように、ウォールライドを配置してあることになります。



このラインの通行資格は、スタッフのジャッジを必要とした方が安心なので、詳細と判断はスタッフにお尋ねくださいね。
動画(下部に案内)にも収録していますので、合わせてご確認ください。
事前の現地調査・作業箇所を確認




前年(2024)の営業を終え、そして、一冬を越したパークの様子を、事前に見回って作業箇所を確認。
ポイントは、各コースの安全チェックと、毎年崩れるパークの外側の定例処理のチェック。
コースのチェックはオッケー

パークは、自然の力でも、人為的な力でも、変化していく生物です。
まずはパーク内の各所の安全をチェックします。
日々のメンテ等で危険な改変になっていないかのチェックはクリアでした。
本来メンテは現状維持や現状復帰のための作業ですが、再現って意外と難しい技術やスキルでもありますからね。
日々の自然風化によって、各コースの肉付きは痩せていきますが、これは計算の内。ある程度の耐久性の範囲内であれば、改修をする必要はないので、とくに手を加えることもなく、引き続き使いまわせる仕様なので、チェックはクリアでした。
毎年崩れるパークの外側の定例処理のチェック
毎回、パークの外側の壁が崩れるのが定例なので、その処理も大事な整備項目となっています。
パークの外側がパークの内側にも被害を及ぶ、じわじわと侵食して悪さをすることになるので、しっかりとお手入れが必要な状態でした。
外環排水路を塞ぐ流出土砂


パークの外側の外側は、パークの内側になります。
つまり、外側からの排水がパークの内側に流入すると、パーク内が台無しになるので、そこが埋まってしまったままの放置だと、パークが外野からの力で痛むわけです。
パークの外側の『排出機能』は、パーク設計の内側にあります。
毎年、このポイントは定例になっていて、整備が必須になっているので、ある意味、毎回の作業ルーティン化で、まーまーサクサク作業です。
その延長で、下流部も整理整頓



また、パークの内側からの排出は、流域下部のパークの外側へも被害をもたらすので、外側の乱れが、これまた、パークの内側に作用することにしっぺ返しとなるので、こちらも整理整頓作業をしました。
ちょいとややこしい説明になるんですが、こっちのためのあっち、あっちのためのこっち。端折ると、巡り巡って、あっちもこっちも、全部でバランスを整えておかないといけないわけです。
つまり、一見関係ないところも、関係しています。因果関係ですね。相乗効果で、悪さをします。
パークビルドは、ある意味自然のバランスを崩すことになりますので、そのバランスを正す努力(調整)が必要(付き合う)になる、って感じですね。
もろもろ、この下流部に、パークの受付場所があるので、そんなしわ寄せが、パーク利用者にとってのインターフェース(第一印象)を台無し(晴れでもグチョグチョみたいな)になるので、結構大事なことだと思います。
パークの入り口は、マウンテンバイクの世界への入り口ですからね。
気持ちよく、入門していただくためにね。
コース(路面)以外も小綺麗にする意識は大切だと思います。
地元・ミヤマ先生・地域文化・つながり

もくぞうこマウンテンバイクパークの所在地、石川県を代表でいて、日本を代表する、マウンテンバイク・ダウンヒルレーサーの三山孝幸選手(小学校のリアル先生)が、サプライズ登場。
ある意味、ワールドワイドなもくぞうこマウンテンバイクパーク👍
2024年のマスターズ世界選手権では60-64才クラスで銀メダルを獲得しています。
今回は、そんなスキルで、作業を手伝ってくれました。しかも、突然前触れもなくふらっと(感謝)
そして、テストライドをしてもらったりして、スタッフと共に楽しいライドも満喫ができました。
その模様は動画に収まっているので、ぜひご覧ください。
スタッフ研修?

パークビルドとパーク経営も魅力的な時代になってきましたね?
そんなアップデートも感じた時間でもありました。
その模様は動画に収まっているので、ぜひご覧ください。
まとめ
















安心してマウンテンバイクを体験できるパークを目指しています。
経験者にとっては、科学的アプローチによる段階的ステップを踏める場所になっています。
パーク内に見える形一つ一つの設計意図はスタッフに伝えてあります。
スタッフが利用者に寄り添います。
スタッフ一同、もくぞうこマウンテンバイクパークでお待ちいたしております。
