もくぞうこMTBパークをリフレッシュ&アップデートしてきました。

Field Design
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2023年3月22日(水)から25日(土)の期間(合計14時間)で、シーズン営業を前に「もくぞうこマウンテンバイクパーク」(石川県)のリフレッシュ作業をしました。ついでにアップデートも。

前回の作戦会議から予定を立てて、作戦の決行です。

そんな作戦↑のもと、今年のシーズン営業を前に、期間内に自分ができることをお手伝いしてきました。

予定では22日13時から24日17時の期間でしたが、24日の雨で翌日25日14時から17時までの期間変更で実施しました。

合計14時間の中で、自分はユンボを使ってできる範囲を担当して、通称「パワーショベる」作業を行いました。

今回は、各コースの走行上の問題はないので、「見栄えを良くする」こと(これはすごく大事)を目的にリフレッシュとアップデートです。

各コースの走行上の問題はないとは
コースの設計(ライディングの根拠)上、コンセプトと実際とのズレがない状態。

一応、ライディングのプロなので、そのデザインは朝飯前

その技術は当たり前のことの上、大切なこととして、とにかくこれからMTBを始める方にとっての見え方が大事と判断して、見栄え(入りやすさ)を良くすることを目的に作業をしました。

ビフォーとアフター・テラスからの眺めで見栄えチェック。

事前下見の3月8日(水)、ひと冬を冬眠していた状態(通称“展望台”からの眺め)
事前下見の3月8日(水)、ひと冬を冬眠していた状態(通称“展望台”からの眺め)
3月25日(土)、リフレッシュ後の状態(通称“テラス”からの眺め)
3月25日(土)、リフレッシュ後の状態(通称“テラス”からの眺め)

リフレッシュ作業を一通り終えて、パークが一望できるエリア(通称“テラス”)からの見栄えが変わりました。条件内での実施なので完璧というわけにはいきませんが、ビフォーアフター感が得られました。

ぼんやりとした感じが、カチっとした印象に変わりました。エッジな感じですかね。作業員側の自己満足的達成感としては、刃物で例えるとすれば、研ぎ直して切れ味が良くなった時のスパッと気持ちいい感じかな。

マウンテンバイクパークは生物というか、生き物というか、ペットみたいな愛着というか、育てる感じですかね。さながら、可愛いペットのトリミングでしょうか。整ったことで、エンボスな道筋がアフォーダンス効果(利用者の誘導機能)を期待したい。

もくぞうこマウンテンバイクパークのご利用情報はこちら

もくぞうこ
オトナからコドモまで、自然の中で有意義な時間を過ごせる場所「もくぞうこ」。マウンテンバイクパークやカフェなどを運営しております。

作業実施レポート

もくぞうこマウンテンバイクパーク
もくぞうこマウンテンバイクパーク

今回の作業もなにかと勉強になったので、なにかの役に立つといいな、ということで、作業実施レポートで共有です。

これからマウンテンバイクパークをつくりたい方や、今後パークを維持管理する方向けに参考になればと思います。

初日、まずは、大切なことから片付ける。壁際で水際対策の再生。

崩れてきた土で埋まる箇所。

この箇所って、もともとは山で、そこの土(良い土)を業者が持って行った(堀削った)跡のところ。ギリギリのところまで持って行ってるので、ほぼ、垂直に切り立っています。なので、その壁が崩れる度に、こちら側が土に埋もれる、って場所。その度に、排水路を再生することを予測していたところなので、毎回お馴染みの処理にはなるんだろうな、な場所。

大切なんだけど、そのありがたみを普段見せない、排水路。

そんな壁際事情により、排水路が埋まっている状態の場所。この箇所は、パークの外側に位置する山側の崩れた土で排水路が埋まってしまっていたところ。

これを放置するとパークが壊れる原因なので、まずは、これから片付ける。

晴れている時には、その大事なことに気づけない状態なので、放置される場合も多いケース。見逃されないためにもサクッと片付ける。見逃すと上塗り作業を始めてしまうケースもある。
今回、よいサンプルになったのでシェア。

この手の予測できる箇所がある場合は、あらかじめアプローチの動線はユンボが入れる設計にしておくと安心。

崩れてきた分の土を活用しつつ、排水路の再生と、路面の盛り付け。

排水路が再生。
排水路が再生。

ここの排水路は、パーク外の山側から流れてくる雨水を排除する役割がある大切な排水路。パーク外からの侵略を水際で防ぐ機能。ということで、大事な排水路が再生されました。パワーショベるで約2時間くらいな作業でした。

ついでに路面のアップデート

ついでに、良い感じにアップデートできた、もくぞうこ山の「登山口」付近。
ついでに、良い感じにアップデートできた、もくぞうこ山の「登山口」付近。

この“山道”は、もくぞうこマウンテンバイクパークにインクルードされた、通称「登山道」と呼んでいる隠れアトラクション的コース。この先に通称「展望台」があり、この山を「もくぞうこ山」と呼ぶ。その入り口「登山口」付近もついでにパワーショベる作業。

という、マウンテンバイクのテーマパークの中の、とある物語のインターフェイスをアップデート。

このエリア、“登山道”だけあって、テクニカルな路面をデザインしてありますので、今回は、よりシャープにアップデートしました。

水勾配の変更と見守りポイント

この区間に3パターンの水勾配調整。
この区間に3パターンの水勾配調整。

走行路面が水平だと水溜りができてしまうので、左右どちらかに傾けることで雨水が路面外へ流れてくれます。

流れる水の力を分散させることで表面の風化スピードをおさえることになるんですが、そのことと、ライダーの走行感とのバランスがまんなかの掴みどころ。

ここのピンポイントは、土質も相まって、なかなかな難所。なので、妥協点をどこに定めるか、という落とし所が、まだまんなかを掴めていないところ。その上で、日々の維持管理コストとのバランスも兼ねながら、そんな課題を活用できるポイント。

パークスタッフにとって、スキルアップトレーニングのポイントとなるところなのかな、と。もし収集がつかなくなっても、パワーショベる作業でリセットが効くポイントでもあります。

とりあえずは、向こう側半分の水勾配を反転させて、問題を一気に解決できたことでスタッフの負担を軽減。こちら側半分は経過を様子見しながら、あわてず、育てる感じに活用。

初日のパワーショベる動画

初日3月22日のシメは、金沢のクセになる味、チャンカレ。

その土地の食文化同様に、この土地のMTB文化を重ねて、金沢のクセになる味を味わいました。何に勝つのか不明ではありますが、チャンピオンを目指します。フォークで食べるカレーは、発想の偏りを解放させてくれる。

翌日、パンプトラックのリフレッシュはスタッフにお任せ。

通称“ラブパンプ”のリフレッシュ。
通称“ラブパンプ”のリフレッシュ。

パンプトラックのリフレッシュ作業の手順をパークスタッフにレクチャーしたら、飲み込みが早くてセンスあるので、あとはお任せできました。

パンプトラックのリフレッシュ作業方法

幸運にも耕うん機をもくぞうこが所有していたので、リフレッシュ作用に活用。
幸運にも耕うん機をもくぞうこが所有していたので、リフレッシュ作業に活用。

優秀なスタッフのおかげで、そちらを任せてる間、雨予報を締切に自分がパワーショベるでやれる限りの作業をしてみました。

感じるままに、いろいろとアップデート

もくぞうこマウンテンバイクパークで幸運期。

もくぞうこマウンテンバイクパークをデザインした時に、基本設計で各エリア毎に区画分けしてつくっているので、その内側をアップデートしやすくしてあります。

パーク全体を「弁当箱」とした場合、各エリアは弁当箱内の仕切られた範囲。各料理の汁が交わらない感じ。入れ替えが容易になるように。

なので、サクサクと、リフレッシュ作業をしながらも、ついでにアップデートが気づかれないくらいのレベルで同時進行してる感じ。

いつも変わらない弁当だけど、味付けを変えている、みたいな。塩分控えめ、みたいな。

気づいたら、アップデートされていました。的な。

という、期間を逆算して、やれる限りの作業要素はどれくらいかな、みたいな見積もり計算がなされ、そんなことから、感覚的にパワーショベる。感じで作業が進行。

通常なら、もし現場監督が居たとして、それ、怒られそうな工法(笑)

プラスして、終了時間の間近に雨が降り出したので、今日中に終えておきたいパワーショベる作業の区切りをつけて、明日の雨が上がっても差し支えのないパワーショベる作業要素(ぬかるまない土いじり)を後回しして、本日の作業が思い通りで終了。

3日目は恵の雨。貴重な仕事に充てがう時間となりました。

パークの若手スタッフが書き留めたアイデアメモ
パークの若手スタッフが書き留めたアイデアメモ

3日目の3月24日(金)は、雨。天気はコントロールできないので、素直に従い、雨の恵を他の時間に充てました。

午前中は、パークの若手スタッフが書き留めていたアイデアメモをエアードロップしてくれて、それをプレゼンしてくれた。

どのアイデアもコンセプトとマッチしていて、的を得ているものばかりで、あとは実行するだけで期待が持てる内容でした。今後に期待が持てるスタッフに感謝。

午後からは観光客観光に充てがう

金沢観光客観光ウォーキング

午前中のプレゼンで刺激をうけ、パワーをもらったので、午後からは雨の恵を実りのある時間になるように、観光客観光に充てがいました。

観光客観光

観光客って、観光地で、観光するにあたり、だいたいは「初見」だと思うんです、その「初見」での見え方って、すごく大事だと思っていて、その「初見力」を鍛えるスキルアップトレーニングとしての、観光客観光を駅前で実施。

見慣れると見えなくなること、MTBパークに必要なこと。なので。

マウンテンバイクパークには、「初見」としての見え方があります。もくぞうこマウンテンバイクパークのコンセプトに見合った「見え方」の見落としがないか、再確認。

関係者になると、普段の風景が当たり前になってしまうので、見慣れてしまうことで、見えなくなることが沢山ありますよね。そのギャップが、自分で自分達の首を絞めたりもします。

そこで、「初見力」が活躍します。普段の見慣れた風景の中でも見えなくならないように。ってことで、観光地の観光が一番の手前の場所、駅前観光をしました。

最終日、午前中に一仕事を終えて、午後からパワーショベる再開。

昨晩に降った雨で水溜りができるほどの雨量の3月25日(土曜日)の朝。

午前中は、「もくぞうこスクール」。

午後14時から、残りのパワーショベる作業を再開しました。

恵の雨で得た効能で水勾配のレベル調整。

レベルの機材セッティング
レベルの機材セッティング

最終日の終盤、逆算のパワーショベる作業に、ギリギリの迷いが生じた中、手持ちの機材をサクっと用意してくれて、予定外の作業効率を得ることができ、プラスアルファーのパワーショベる作業ができて、ラッキーでした。

ということで、無事に作業が終了。

自分が居る期間の間でできるパワーショベる作業を無事終えることができました。あとはパークスタッフにできる作業を託して帰宅。

“MTB”だから自然の現象のままのエリア

山々が連なる通称“たこやき”
山々が連なる通称“たこやき”は、MTBを通じて得られる子ども達の創造力を養うエリア。

マウンテンバイクパークがマウンテンバイクらしさであるエリアには、自然の現象をそのままにたのしめるエリアとして、リフレッシュなくとも現状のままをキープすることで、維持管理になるのかな、と。

マウンテンバイクパークは、BMXコースと違い、路面をピンピンツルツルテカテカにする必要はない程度に凸凹感を味わえる。MTBのクッションなタイヤやビヨンビヨンなサスペンションを楽しめる要素として、自然の現象をそのままにたのしめるエリアも配合。

大人の方もぜひ、子ども脳にかえってみてほしいマウンテンバイクの本質をパークに宝探し。

次世代スタッフからのお手紙

うれしい手土産。それはお手紙。
うれしい手土産。

将来の夢は、マウンテンバイクパークの社長になりたいという次世代スタッフさんからの嬉しいお手紙をいただきました。ありがとう。

ヤンズのフィールドデザイン // YANS Field Design
マウンテンバイク文化をフィールドからデザイン・マウンテンバイクパーク、マウンテンバイクコース、パンプトラック、マウンテンバイクのフィールドをつくりました。
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